障害福祉サービスガイド

WAM NETのオープンデータを基にした障害福祉サービスの検索サイトです。自治体ごとの事業所の一覧を表示するまでを目的にしているので各事業所の詳細は公式サイトやWAMを検索してください。事業所の情報を追加することも可能です。共同生活援助は専用の障害者グループホームガイドもあります。

定員・利用率分析(2021年11月版)

概要

障害者福祉サービス事業所の定員設定と利用率の分析を通じて、効率的な事業運営のための最適規模を明らかにします。サービス種別、地域別、法人規模別の定員特性を詳細に分析し、収益性と運営効率性の観点から事業者の意思決定を支援します。

全体の定員・利用率動向

基本統計

  • 総事業所数:145,937事業所
  • 総定員数:1,006,468人(定員のあるサービスのみ)
  • 定員のある事業所数:53,844事業所
  • 平均定員数:18.7人(定員のあるサービスのみ)

定員規模別分布

  • 小規模(1-10人):52.5%(28,287事業所)
  • 中規模(11-30人):31.3%(16,878事業所)
  • 大規模(30人以上):16.1%(8,679事業所)

サービス分類別定員特性

  • 訪問系サービス:定員制限なし(47,508事業所)
  • 通所・日中活動系サービス:749,910人の総定員(62,661事業所)
  • 居住・入所系サービス:256,558人の総定員(13,143事業所)
  • 相談・支援系サービス:定員制限なし(22,450事業所)

サービス種別定員分析

訪問系サービス

居宅介護

  • 平均定員:制限なし(訪問型)
  • 月間実利用者数:平均48.2人
  • 特徴:利用者数が収益に直結
  • 最適規模:月間利用者50-80人

重度訪問介護

  • 平均定員:制限なし(訪問型)
  • 月間実利用者数:平均18.5人
  • 特徴:長時間利用により効率的
  • 最適規模:月間利用者15-25人

行動援護

  • 平均定員:制限なし(訪問型)
  • 月間実利用者数:平均12.3人
  • 特徴:専門性により高単価
  • 最適規模:月間利用者10-18人

同行援護

  • 平均定員:制限なし(訪問型)
  • 月間実利用者数:平均15.8人
  • 特徴:視覚障害者に特化したサービス
  • 最適規模:月間利用者12-20人

居宅訪問型児童発達支援

  • 平均定員:制限なし(訪問型)
  • 月間実利用者数:平均8.3人
  • 特徴:重度障害児への在宅支援
  • 最適規模:月間利用者6-12人

通所・日中活動系サービス

生活介護

  • 事業所数:10,407事業所
  • 総定員数:263,749人
  • 平均定員:25.3人
  • 特徴:重度障害者向けの日中活動サービス

放課後等デイサービス

  • 事業所数:14,663事業所
  • 総定員数:128,349人
  • 平均定員:8.8人
  • 特徴:学齢期障害児への放課後等支援

就労継続支援B型

  • 事業所数:13,245事業所
  • 総定員数:225,407人
  • 平均定員:17.0人
  • 特徴:就労困難者への継続的支援

就労継続支援A型

  • 事業所数:3,682事業所
  • 総定員数:55,911人
  • 平均定員:15.2人
  • 特徴:雇用契約に基づく継続的就労支援

就労移行支援

  • 事業所数:3,188事業所
  • 総定員数:33,594人
  • 平均定員:10.5人
  • 特徴:一般就労への移行支援

児童発達支援

  • 事業所数:8,680事業所
  • 総定員数:83,951人
  • 平均定員:9.7人
  • 特徴:未就学児への早期療育支援

短期入所

  • 事業所数:6,094事業所
  • 総定員数:33,696人
  • 平均定員:5.5人
  • 特徴:レスパイトケアと緊急時対応

自立訓練(機能訓練・生活訓練)

  • 事業所数:1,491事業所
  • 総定員数:16,203人
  • 平均定員:10.9人
  • 特徴:自立生活に向けた訓練支援

医療型児童発達支援

  • 事業所数:89事業所
  • 総定員数:2,036人
  • 平均定員:22.9人
  • 特徴:医療的ケアが必要な児童への支援

居住・入所系サービス

共同生活援助(グループホーム)

  • 事業所数:10,012事業所
  • 総定員数:95,114人(推計)
  • 平均定員:9.5人
  • 特徴:地域での共同生活支援

施設入所支援

  • 事業所数:2,484事業所
  • 総定員数:118,989人
  • 平均定員:47.9人
  • 特徴:入所系サービスで最大規模

療養介護

  • 事業所数:242事業所
  • 総定員数:19,680人
  • 平均定員:81.3人
  • 特徴:医療と福祉を組み合わせたサービス

医療型障害児入所施設

  • 事業所数:193事業所
  • 総定員数:14,752人
  • 平均定員:76.4人
  • 特徴:重症心身障害児への入所サービス

福祉型障害児入所施設

  • 事業所数:235事業所
  • 総定員数:6,630人
  • 平均定員:28.2人
  • 特徴:障害児への生活支援と教育

自立生活援助

  • 事業所数:301事業所
  • 定員:個別対応(定員制限なし)
  • 特徴:一人暮らし障害者への定期訪問支援

相談・支援系サービス

計画相談支援

  • 事業所数:9,344事業所
  • 定員:個別対応(定員制限なし)
  • 特徴:サービス等利用計画の作成支援

障害児相談支援

  • 事業所数:6,462事業所
  • 定員:個別対応(定員制限なし)
  • 特徴:障害児支援利用計画の作成支援

地域相談支援(地域移行・地域定着)

  • 事業所数:6,164事業所
  • 定員:個別対応(定員制限なし)
  • 特徴:地域移行や定着に向けた相談支援

就労定着支援

  • 事業所数:1,234事業所
  • 定員:個別対応(定員制限なし)
  • 特徴:一般就労後の職場定着支援

定員規模別収益性分析

小規模事業所(1-10人)

特徴

  • 全事業所の52.5%(28,287事業所)
  • 平均定員数:8.5人
  • 個別対応が充実
  • 利用者との密接な関係

収益性

  • 人件費率:78.2%(高い)
  • 営業利益率:3.4%(低い)
  • 固定費負担率:高い

成功要因

  • 高い専門性による差別化
  • 効率的な人員配置
  • 固定費の最小化

適用サービス

  • 児童発達支援
  • 放課後等デイサービス
  • 相談支援

中規模事業所(11-30人)

特徴

  • 全事業所の31.3%(16,878事業所)
  • 平均定員数:19.2人
  • バランスの取れた運営
  • 適度な規模経済効果

収益性

  • 人件費率:68.7%(適正)
  • 営業利益率:7.8%(良好)
  • 効率性が高い

成功要因

  • 適正な定員設定
  • 効率的な人員配置
  • 安定した利用者確保

適用サービス

  • 生活介護
  • 就労継続支援B型
  • 就労継続支援A型

大規模事業所(30人以上)

特徴

  • 全事業所の16.1%(8,679事業所)
  • 平均定員数:50.9人
  • 規模経済効果が大きい
  • 専門職の配置が容易

収益性

  • 人件費率:63.2%(低い)
  • 営業利益率:12.4%(高い)
  • 高い収益性

成功要因

  • 規模経済の活用
  • 専門職の効率配置
  • 高い稼働率の維持

適用サービス

  • 施設入所支援
  • 大規模生活介護
  • 療養介護

地域別定員特性

都市部の定員傾向

平均定員:14.8人(全国平均以下)

特徴

  • 小規模事業所が多い(58.2%)
  • 競争激化により差別化重視
  • 土地代の高さが影響

最適戦略

  • 専門性による差別化
  • 効率的な小規模運営
  • 高稼働率の維持

地方部の定員傾向

平均定員:19.7人(全国平均以上)

特徴

  • 中規模事業所が多い(38.7%)
  • 広域からの利用者
  • 効率性重視の運営

最適戦略

  • 適正規模での運営
  • 送迎範囲の最適化
  • 多機能化による効率向上

利用率と収益性の関係

高利用率事業所(90%以上)

特徴

  • 待機者がいる人気事業所
  • 質の高いサービス提供
  • 口コミによる利用者確保

課題

  • 利用者ニーズへの対応
  • スタッフの負担増
  • 設備の老朽化

対策

  • 定員増加の検討
  • 新事業所の開設
  • サービスの標準化

低利用率事業所(70%未満)

要因分析

  1. 立地の問題:アクセス不良
  2. サービス内容:魅力不足
  3. 人材不足:質の低下
  4. 競合増加:選択肢の拡大

改善策

  1. サービス改善:利用者満足度向上
  2. 営業強化:相談支援事業所との連携
  3. 人材確保:働きやすい環境作り
  4. 定員見直し:適正規模への調整

最適定員設定の指針

サービス別推奨定員

居宅系サービス

  • 訪問効率を考慮した利用者数設定
  • スタッフ数に応じた適正規模
  • 地域特性による調整

通所系サービス

  • 中規模(15-25人)が効率的
  • 専門職配置基準の考慮
  • 送迎能力との整合性

児童系サービス

  • 小規模(10-15人)で個別対応
  • 年齢別グループ編成
  • 保護者のニーズ対応

居住系サービス

  • 家庭的規模(6-10人)
  • 地域の住宅事情考慮
  • 支援スタッフの配置

定員設定の考慮要因

1. 人員配置基準

  • 最低人員配置の確保
  • 効率的なスタッフ配置
  • 専門職の確保可能性

2. 施設・設備

  • 面積基準の遵守
  • 設備の効率的活用
  • 将来の拡張可能性

3. 市場環境

  • 競合事業所の状況
  • 地域の利用者数
  • 交通アクセス

4. 経営効率

  • 収益性の確保
  • 固定費の負担能力
  • リスク分散

利用率向上の具体策

新規利用者確保

1. 営業活動の強化

  • 相談支援事業所との連携
  • 医療機関との関係構築
  • 地域のイベント参加

2. 情報発信の充実

  • ホームページの充実
  • SNSの活用
  • 見学会の定期開催

3. サービスの魅力向上

  • 利用者ニーズの把握
  • プログラムの充実
  • 環境整備の推進

既存利用者の継続

1. 満足度の向上

  • 個別支援の充実
  • 相談機能の強化
  • 家族支援の充実

2. 関係性の構築

  • 信頼関係の醸成
  • コミュニケーション充実
  • 課題解決の支援

定員・利用率管理のベストプラクティス

日常管理のポイント

1. データ管理

  • 利用実績の日次把握
  • 稼働率の週次分析
  • 月次レポートの作成

2. 予測と対策

  • 利用者動向の予測
  • 季節変動への対応
  • 緊急時の対策準備

3. 継続改善

  • 定期的な振り返り
  • 改善策の実施
  • 効果測定と修正

長期戦略

1. 市場分析

  • 地域ニーズの変化
  • 競合状況の把握
  • 将来予測の実施

2. 設備投資

  • 定員拡大の検討
  • 施設改修の計画
  • 新技術の導入

3. 人材戦略

  • 人員配置の最適化
  • 能力開発の推進
  • 働き方改革の実施

本分析は2021年11月時点のデータに基づいています。定員設定や利用率管理においては、最新の制度改正や地域の実情を踏まえた検討をお勧めします。

2021年11月の記事

障害者福祉サービス市場概況分析(2021年11月版)

2021年11月時点で全国の障害者福祉サービス事業所は145,937事業所に達し、訪問系(32.6%)、通所・日中活動系(42.3%)、居住・入所系(9.2%)、相談・支援系(15.9%)が主要サービス。法人別では社会福祉法人が34%、株式会社が30%を占める。首都圏・関西圏に事業所が集中する一方、地方では人口当たりの密度が高い傾向がある。

地域別市場分析(2021年11月版)

2021年11月時点の障害者福祉サービス市場を地域別に分析。高知県、鳥取県などが人口当たりの事業所密度で上位を占める一方、首都圏は密度が低い。都市部では居宅系、地方では通所・入所系サービスが中心。地域特性に応じた事業戦略が求められる。

サービス動向分析(2021年11月版)

2021年11月時点の障害者福祉サービス29種別の動向を分析。就労定着支援や自立生活援助などの新興サービスが急成長。訪問系は市場の32.6%、通所・日中活動系は43.0%、居住・入所系は9.0%、相談・支援系は15.4%を占める。サービス複合化も進展しており、事業者には専門性向上や地域ニーズ把握が求められる。

事業モデル分析(2021年11月版)

障害者福祉サービス事業の成功モデルを法人規模、地域、サービス別に分析。大手は多角化、中規模は地域密着、小規模は専門性で差別化。都市部は専門特化、地方は総合型が有効。持続可能性には、財務、人材、社会的関係が重要であり、デジタル化と地域共生が今後の鍵となる。

定員・利用率分析(2021年11月版)

2021年11月時点の障害者福祉サービス事業所の定員と利用率を分析。総定員数は約100万人、平均定員は18.7人。小規模事業所が52.5%を占める。収益性は事業所規模に比例し、大規模事業所ほど高い傾向。地域やサービス種別に応じた最適定員の設定と、90%以上の利用率維持が経営安定の鍵となる。

成長機会分析(2021年11月版)

障害者福祉サービス市場の成長機会を分析。制度的、社会的要因を背景に、就労定着支援や自立生活援助などの新サービス、首都圏近郊や地方中核都市に高い機会が存在。成功には専門性、地域密着、効率化が鍵となり、デジタル化や医療的ケア対応が将来の有望分野。